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炭屋旅館

すみやりょかん

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裏千家ともゆかりの深い「茶の湯の宿」。
茶の精神が行き届いたもてなしと伝統の空間は茶人の憧れ。

賑やかな京の中心部にある三条麩屋町で目を引く、ひときわ落ち着いた数寄屋造りのたたずまい。古くより「茶の湯の宿」として全国に名を馳せる炭屋旅館のルーツは、刀の鍔や襖の引手を商う鋳物屋。それが宿へと姿を変えたきっかけこそ、茶の湯でした。先々代の堀部鍈之介氏は裏千家とも深い交流を持った数寄者。日々、家元をはじめとする同好の人々を招いてもてなし、全国から稽古に来る人を泊めるうち宿屋となったのは、大正の初期のことでした。後を継いだ先代・堀部公允氏も裏千家の老分を務めた茶人で、二代にわたる文化活動が、茶の湯の宿・炭屋をつくりあげ、その存在を広く知らしめたともいえます。表戸をくぐると丁寧に打ち水された露地。がらりと空気が変わり、侘びの世界へ誘われるが如く、玄関、そして屋内へとひと足ごとに深まる趣を感じます。「一期一会」の精神を体現する行き届いたもてなしに、四季折々、部屋ごとに景色を変える庭、客間の質素な装いに宿る美意識、季節を映す料理と、さまざまなかたちで五感を刺激する茶の湯の心は学び多く、何度訪れても新鮮な発見があります。


淡くほのかな灯りが、「茶の湯の宿」ならではの風情を醸し出します。


入り口では、吉井勇の歌碑がお客様を迎えます。「京に来て うれしとおもふ しつかなる 利休このみの 宿のひと夜を」


館内には茶室が合計5部屋。なかでも有名なのが四畳台目の茶室「玉兎庵」。兎年であった先々代にちなんで裏千家十四代家元・淡々斎により命名されました。毎月7日と17 日の夜には釜を懸け、夕食の済んだお客様をお茶席にご招待するならわしです。

毎月、趣向をこらした茶事も催されています。
(お茶事のお知らせはこちらから。 http://www2.odn.ne.jp/sumiya/news.html


点前座となる床脇に飾られた兎のモチーフ。楽焼十一代慶入の作で、もとは前瓦としてつくられたもの。先々代の遊び心が偲ばれます。

茶室から望む中庭には、由緒ある添景物が配されています。蹲踞(つくばい)は、大阪城築城の際に献上されたものの使われることのなかった石で、「残念石」と呼ばれています。


銀閣寺の東求堂にある「洗月亭」を写した「洗月床」は、床の間の前面部分に曲線でのぼりゆく月の姿をあらわした斬新な意匠。現在は主に茶会の際の待合として、多くのお客様を迎えています。


「井筒」は創業時からの部屋をリノベーションして、新たに高野槙のお風呂、トイレを備えた客室。現代では入手が難しい一閑張のテーブルと椅子など、受け継がれた家具や調度からも日本の伝統への敬意が感じられます。心ゆくまで愛でられる庭も美しく、下部のふくらみにマリア像を隠したキリシタン灯籠が印象的です。


「井筒」や「松風」など謡曲にちなんだ客室には、各部屋の名前の由来になっている能楽の謡が記された腰紙が。謡曲を趣味とした先々代が実際に使っていたもので、なんとも粋な演出。


もともと鍛冶屋であった名残から、客室の引き手や釘隠し、襖引手には、笹の葉や瓢箪、糸巻きなど凝った意匠が用いられています。


満州からの客人が少女時代の先代女将をモデルに描いたという屏風。ご一族の思い出の名品でもあり、当時のハイカラな暮らしぶりも伺える、貴重な史料です。


東京五輪の年に増築された全8室。シンプルでどこかほっとする昭和のデザインが、くつろぎの時間を包み込みます。
「梅」は茶室を意識しつつ、モダンさを加えた天井の景色が興をそそります。先々代の市川團十郎が好んだ部屋とのこと。


京野菜をはじめとする四季折々の食材をふんだんに使用しその滋味を生かした京料理。創意に富んだ盛り付けも目に楽しく、古都の雅と季節感を伝えます。

 

炭屋旅館

http://www2.odn.ne.jp/sumiya/

住所 京都市中京区麩屋町通三条下ル
TEL 075-221-2188
FAX 075-221-2267
チェックイン 15:00
チェックアウト 11:00
アクセス  JR京都駅よりタクシーで15分/地下鉄烏丸線・東西線烏丸御池駅より徒歩約8分地下鉄東西線京都市役所前駅より徒歩約5分/京阪三条駅より徒歩約8分/
阪急河原町駅より徒歩約8

駐車場あり