たなかちょうならづけてん
「奈良漬」を店名に冠しながらも、その商品名は「都錦味淋漬」。一般的な奈良漬とは一線を画すまろやかな味わいが特徴です。というのも、江戸・寛政元年(1789)の創業時は、みりんの製造を生業としていた同店。その傍ら、初代が酒粕に漬ける従来の奈良漬に自家製みりんの風味を加え、まろやかな旨みのある独自の味を完成したのです。創業から230年を経た今も、手仕事による製法は変わることなく受け継がれています。全国から選び抜いた野菜を収穫と同時に塩漬けし、年中供給できるよう調整しながら漬け替えを繰り返し本店の奥で貯蔵、熟成ののち袋詰めして販売へ。完成までは約2年、「時間こそが最高の調味料」と信念を持つ職人の勘と経験が、唯一無二の味わいを引き出します。「都錦味淋漬」の商標にはあえて氵の「淋」の字をあて「味のしずく」が滴るという意味を託しているところからも、商品へのこだわりが伝わります。
2017年2月、創業の地に竣工成った本店。江戸~明治期の建物であった旧店舗の趣をできる限り残しながら明るさとモダンさを備え、入りやすいつくりとなりました。店内に一歩入ると感じる都錦味淋漬の馥郁とした香りは、今も昔も変わりません。
看板は大正時代より使用されていたものを磨き上げ、ふたたび旧店舗と同じ位置に掲げました。
広々とした店内では、試食をしながらお好みの商品が選べます。店舗建て替えの際、発掘された古くは室町時代からの出土品が拝見できるコーナーもあり。いくつもの変遷があった、この地の歴史に思いが馳せられます。
通年販売されている定番商品はうり、きゅうり、すいか、加茂なす。このほか、だいこん、しょうが、からし味もぎなすも人気。また、春には筍、祇園祭の時期には京野菜の桂うり、21日漬物の日から販売されるエリンギなど、季節や時期によって出会えることがある限定販売ものも楽しみのひとつ。
こちらからご購入いただけます。https://tanakacho-shop.com
同じ味淋漬けといえども、それぞれ食感や浸透の具合が異なり、多彩な味わいを楽しめます。深くまろやかな味わいは、そのままいただいておいしいのはもちろん、料理の引き立て役にも。たとえば海苔巻きの具にしたり、クリームチーズと合わせたりといった、和洋を問わない新鮮な使用法も発信されています。
プレセントキーワード「みりん」
住所 |
京都市下京区綾小路通烏丸西入童侍者町160番地 |
TEL |
075-351-3468 |
FAX |
075-351-4520 |
営業時間 |
8:30~18:00(1~3月は~17:30)1月1、2、3日のみ休 |
アクセス |
地下鉄四条駅下車2番出口より徒歩約3分/阪急烏丸駅下車 23番出口より徒歩約3分/バス四条烏丸停留所より徒歩約3分 |