いもぼうひらのやほんけ
京都を代表する名物のひとつとして、今や知らない人がないといって過言でない「いもぼう」。元禄から享保にかけて御所に仕えた初代当主、平野権太夫氏が宮様の九州御幸の際、持ち帰った唐芋(とうのいも)を育てたところ、京の地味にあって立派に育ち、形が海老に似ていることから「海老芋」と呼ばれるように。これを宮中への献上品、北海道産の棒鱈と炊き合わせたのが、「いもぼう」のはじまりです。以来300年以上14代にわたり、その味と技を“一子相伝”で受け継いできたのが「いもぼう平野家本家」です。伝承のかたちは、継承者への口伝。素材の状態や気候、温度など、日々変わる条件に細やかに対応し、変わらないおいしさを届けるためには、人から人へ体験を共有しながら伝授していくことが欠かせないからです。こうして厳格に守られた味と技は、ノーベル賞作家・川端康成氏をはじめとする幾多の著名人の絶賛を受けるなど、京都とともに愛されてきました。円山公園の緑に抱かれた数寄屋風の店で、気取りなくほっこりと楽しめる伝統の京の味です。
豊かな緑に包まれた八坂神社の北側に、昔ながらの素朴なたたずまい。「一子相伝」と書かれた白のれんが目印です。
京名物「いもぼう」は、厚く面取りした海老芋と、1週間から10日間かけてもどした棒鱈を1昼夜かけて炊き上げたもの。見るだけで食欲をそそるふっくらと艶やかな仕上がり、滋味にあふれるおいしさは、味わう人をほっこりと幸せな気分にさせてくれます。このやさしさを求めて、お茶会帰りにお見えになる方も少なくないとか。
「いもぼう」とともに、季節に応じて腕によりをかけた旬の料理が味わえる「季節御膳」。
詳細はこちらへ。
http://www.imobou.com/seasonmenu
お一人様から団体様まで、どんなお客様にもリラックスして過ごしていただけるよう個室から椅子席まで、さまざまなお席が用意されています。
お一人様でも気兼ねなくご利用いただける椅子席は全部で30席。円山公園を借景とした清々しい緑が印象的。
坪庭の見えるお座敷をはじめ、全5室が用意された個室は、お連れ様と静かに過ごされたい方に。奥座敷とのふすまを開け放てば大人数(最大50名)の会食や宴会も可能です。
小上がり席は気軽なお食事に最適。
いつの頃からか、いもぼう平野家本家のシンボルとなっているひょうたん。六つの瓢箪が「六瓢」=「無病」に通じる縁起物としても親しまれることから、店内のあちこちでその姿が見られます。なかでも珍しいのは、入り口脇に置かれた6つに分かれた瓢箪。ご来店の際には、ぜひご覧ください。
円山公園の緑とも調和し美しい景色をみせる内庭の花木は、「お客様に1年中花をご覧いただき心を癒していただきたい」という思いをこめて、女将が手ずから育てたもの。時折遊びに来る野鳥の姿やさえずりにも、ほっと心が和みます。
昔販売していた名物のお菓子を復活、店頭でのみお求めいただけるお土産に。天然のやまと芋を使用した、サクサクした食感にやさしい甘さで、どこか懐かしく飽きのこない味わいです。いもぼうる756円(税込)
住所 | 京・東山祇園円山公園内(八坂神社北側) |
TEL | 075-525-0026 / 075-561-1658 |
FAX | 075-531-3232 |
営業時間 | 11:00-20:30(最終入店 19:30 L.O 20:00)年中無休 |
アクセス | 市バス祇園バス停 徒歩約3分/京阪祇園四条駅 徒歩約10分/阪急河原町駅 徒歩約15分 |