ごおうじんじゃ
平安京の建都に貢献された奈良時代の官人・和気清麻呂(わけのきよまろ)公をお祀りしています。もとは洛西の高雄山神護寺の境内に清麻呂公の霊社として祀られていましたが、明治19年(1866)、明治天皇の勅命により京都御所蛤御門(はまぐりごもん)前の現在地に社殿を造営、神護寺境内からご遷座。後に姉君の和気広虫姫も主祭神として合わせ祀られました。数ある御神徳のなかでも、厚く信仰を集めるのが「足腰の健康・病気怪我回復」。これは、清麻呂公が足を傷つけられ立つこともできなかった時に、現れた300頭のいのししによって難を救われ、足も回復したという由緒にちなむものです。同時に、このいのししとの深いご縁から、亥年生まれの方には特にご利益があると崇敬されています。亥年生まれの裏千家鵬雲斎大宗匠が折にふれお参りされることも、茶人には思い入れの深まるエピソード。境内には見どころも多く、ゆっくりと訪れたい神社です。
京都御所の蛤御門前、烏丸通に面して堂々とした構えを見せる鳥居と護王神社のシンボル狛いのしし。鳥居奥の表門は、大正天皇即位の御大礼に使用された大嘗宮春興殿正門の御下賜を受けたもの。この門をくぐってお参りをされるすべての方に御利益がありますようにとの願いを託して大きな「足腰御守」が掲げられています。
境内に入ってすぐ右側には「霊豬手水舎」が。水の出ているブロンズの猪像は、「鼻をなでると幸せが訪れる」と参拝者に親しまれています。
足腰の病気やけがの回復を祈願する方は「足萎難儀回復の碑」へお参りを。足形の石の上に乗ったり、碑をさすったりして祈願します。毎月21日には、足腰の健康を祈願する「足腰祭」が斎行されています。 そのそば、本殿に向かって右側にそびえるのが招魂樹(おがたまのき)。根元には「願かけ猪」の石像があり、周りには「座立亥串」(くらたていぐし)という護王神社独自の願掛けの串がたくさん刺し立ててあります。
拝殿前に狛犬の代わりに鎮座するのが、雌雄一対の狛いのしし「霊猪像」。御祭神和気清麻呂公の故事にちなみ、「清麻呂公のお宮ができるのなら境内には狛犬ではなく狛いのししを」という京都市民の声から明治23年に建てられたものです。ほかにも境内にはたくさんのいのしし像があります。
境内にはカリンの大木がそびえ、その実の効能から、ぜん息封じのご神木とされています。毎年、大量に収穫される実でつくられたカリン酒やせんべい、飴を護王神社の授与品として社頭授与所でのみお頒ちされています。
足腰の病気怪我平癒をはじめ、さまざまな願意への祈祷に使用される祈願殿。両側には二柱の御祭神、護王大明神の和気清麻呂公、その姉君であり博愛慈悲の神様、子どもの守り神として崇敬される和気広虫姫の像がやさしく見守ります。
社務所には茶室を備え、裏千家茶道教室のお稽古場としても使用されています。表に設置されたケースに居並ぶのは、全国から奉納された「いのししコレクション」。
住所 |
京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385(京都御所蛤御門前) |
TEL |
075-441-5458 |
参拝時間 |
6:00~21:00 |
ご祈祷・授与所受付時間 |
9:00~17:00 |
アクセス |
地下鉄烏丸線–丸太町駅下車 北へ徒歩7分/市バス51系統–烏丸下長者町停下車すぐ (お車でお越しの場合) 烏丸丸太町交差点より北へ3つ目の信号手前左側 |