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朝日焼

あさひやき

「遠州七窯」のひとつとして400年の伝統を受け継ぐ宇治の窯元。
茶の湯の世界に寄り添いつつ、新たなスタイルの茶とうつわを発信。

世界遺産として知られる名刹・平等院から、宇治川を隔てて朝日をのぞむ方角にある朝日山。一帯は室町時代に「宇治七名園」のひとつ朝日園があった場所でもあります。朝日焼は、その山麓に慶長年間(1600年頃)に開窯されました。初代が小堀遠州より「朝日」の印を与えられ、その「綺麗寂び」という美意識にかなう器をつくるようになったのが端緒。「遠州七窯」のひとつとしての称賛は、後世にまで伝えられています。八世の時代には京都で煎茶文化が興ったことをきっかけに磁器の技術を導入した煎茶器も手がけるようになり、茶の湯の器との両輪で伝統をつないできました。そして時は現代へ。2016年、当代が十六世豊斎を襲名。時代の変遷に応じた茶の器、宇治の窯元としてのあり方を考えて、2017年に新たに朝日焼 shop&galleryをオープンしました。宇治川のほとりの景観になじむ、町家を改装したモダンな空間に、お茶に関わるうつわ類を販売するショップ、十六世松林豊斎氏の作品を中心に展示するギャラリー、そして宇治川の清流を間近にのぞむ三畳台目の茶室を併設。宇治ならではの風情のなかで朝日焼と宇治茶を楽しんでいただきつつ、新しい茶文化を育んでいきたいという思いがこめられたスペースです。定期的にワークショップやイベントも開催し、新しい視点から茶文化の楽しみと朝日焼の器の魅力を発信し、好評を呼んでいます。また、昔ながらの工房では陶芸体験のほか団体での見学にも対応。隣接する福寿園宇治茶工房「華松庵」での月窯(朝日焼松露会)も含め、宇治を訪れる人々にお茶の文化や陶芸を身近に感じていただける多彩な取り組みで親しまれています。


十六世豊斎作「月白釉流シ茶盌」。月白釉の鮮やかで惹き込まれるような水色が印象的な、当代を代表する作風。朝日焼伝統の宇治の土が松割り木の焼成によって見せる表情とともに、魅力的な色合いをつくります。まさに当代としての「綺麗寂び」の茶盌です。


十六世豊斎作「鹿背茶盌」。窯変から生まれる独特の斑点は「鹿背(かせ)」と呼ばれ、朝日焼に受け継がれる特徴のひとつとなっています。このほか、鉄分が多く赤っぽい色が出たものは「紅鹿背(べにかせ)」と呼ばれます。


朝日窯作のオリジナル煎茶器・河濱清器(かひんせいき)。日常のひとときに、美味しいお茶を飲んでいただくことを追求した朝日焼の煎茶器。特に河濱清器はその青磁の爽やかな色合いでお茶を楽しむのに最適です。


朝日窯作のうつわたち。宇治の土味が活きるベージュからグレーの地が特徴の「燔師(はんし)」の茶盌は、刷毛目のシンプルな意匠が特徴。一輪挿しは、多彩な造形に創意があふれます。


宇治川東岸の景観に溶け込むナチュラルな外観。四季折々に表情が変化する草花の庭も癒される美しさです。


入ってすぐのショップスペースには、朝日窯工房による多彩な作品が並びます。その左手にはダイニングテーブルを置いたイベントスペースがあり、中央がギャラリー、その奥が茶室になっています。ガラス越しに遊歩道の自然と宇治川を望む、清々しく洗練された空間です。


ギャラリーから徒歩数分の場所にある工房には、歴史を重ねてきた重厚感が漂います。登窯は、1975年に当代の祖父にあたる十四世豊斎氏によって世界初の無煙化を実現しました。「玄窯」の名は、火入式に御来窯賜った三笠宮妃殿下より御命名いただいたそうです。


工房の作陶館では、作陶教室や一日陶芸体験が行われています。陶芸教室は昭和26年(1951)に開始されたという、まさに陶芸教室のパイオニア。詳細はこちら


朝日焼十六世を継ぐ松林豊斎氏。朝日焼との縁深い英国セントアイブスのリーチ窯での滞在制作や、京都の伝統工芸を世界に発信するプロジェクトユニット「go on」のメンバーとしての活動など、朝日焼のフィールドをグローバルに広げておられます。「朝日焼は、宇治という場所で茶文化に寄り添いながら、巧みに時代に応じたものづくりをしてきました。私自身も、守るべき伝統を守りつつ現代の価値観を乗せて更新し、次代へつないでいきたいと思っています。特に今、コロナ禍でともすれば人々の心がすさみがちですが、こんな非日常のときこそ五感を研ぎ澄ませて味わえる『茶の湯』の豊かさ大切さを感じます。こういった思いを含めたものづくり、発信もしていきたいですね」。

 

プレゼントキーワード「一輪生」

朝日焼窯元 

http://www.asahiyaki.com

所在地 京都府宇治市宇治又振67shop&gallery
TEL 0774-23-2511

関連サイト
朝日焼松露会 : https://chanoyumap.jp/place/asahiyakisyourokai/