はんべえふ
江戸時代中期、大膳亮(食事を掌る職)として宮中に務め貴重な食材「麸」の製法を学んだ初代が、元禄2年(1689)に創業。以来、時代の変化に対応しつつ、水と素材へのこだわりを貫き、伝統の味わいと技を守り続けています。本店は、京町家のつくりを活かし、季節に応じたしつらえでお客様を迎える趣あふれる空間。広い店内には長い歴史を重ねてきた老舗ならではの展示コーナーも充実しており、「一期一会」の精神を大切にした心あたたまるもてなしのもと、ゆっくりと買い物を楽しめます。また、併設の茶房では、予約制で麸とゆばづくしの「むし養い料理」がいただけます。そのバリエーションの豊かさには驚くばかり。茶人にとっても親しみ深い食材が、さらにおいしくいただける多彩なアレンジ方法ともに提供される感動は、なかなか他では味わえないといえるでしょう。
鴨川の東岸、川端通から一筋東、五条通を南に下がった問屋町通に面する表玄関。落ち着きのある町並みにしっくりとなじむ京町家のたたずまい。
2022年にリニューアルオープンした茶房では、「麩の魅力を伝えたい」という思いから誕生した「むし養い料理」をお召し上がりいただけます。「むし養い」は、小腹を満たしてお腹の虫をおさえる簡単な料理という意味の京ことばです。生麸の田楽やみぞれ椀、ゆばの揚げ物など、全12、3種の料理はバラエティ豊かで、お腹の虫もきっと大満足。使われている材料はすべて販売されており、つくり方や調理のコツなどもの質問にも、丁寧に応じてもらえます。
以前お店で使われていた「おくどさん」や井戸も残されていて、築120年の京町家の歴史も感じられます。
伝統的な食文化の素晴らしさを後世まで広く伝えたいという願いから、「お辧當箱(べんとうばこ) 博物館」として古いお弁当箱を多数展示しています。全300点以上に及ぶコレクションから、常時70点が公開されています。展示品は、芸術的価値の高いものから「これもお弁当箱?」と驚くユニークなものまで実に多種多彩。ひとつひとつから、日本人の豊かな知恵や美意識が伝わります。(開館時間 10:00~17:00 見学無料)
歴代の店主が蒐集した天正年間の千利休「百茶会記」。その記述から、「ふのやき」を100回の茶会中、70数回使っていることがわかります。
2022年にオープンした新社屋の1階にあるショップでは、麩やゆばなど半兵衛麩自慢の多種多様な商品が勢ぞろい。本店ならではの作り立ての商品も並びます。試食しながら、じっくりと選ぶこともできます。
進物用にも、各種の詰合せが用意されています。こちらは「精進生麩 禅」に清水焼の器、伝統文様の木綿布を添えて桐箱に入れ、真田紐をかけた京都の技を伝える贅沢な取り合わせ。
新社屋3階にある「Cafeふふふあん」は、窓外に鴨川が望めるゆったりとした空間。ここでは、なま麸や生ゆば、豆乳をふんだんに使い、「美と健康」にこだわったメニューを各種ご用意しています。写真は、たくさんのなま麩が入った「FuFuぱふぇ」。
住所 | 京都市東山区問屋町通五条下ル上人町433 |
TEL | 075-525-0008 |
FAX | 075-531-0748 |
フリーダイヤル | 0120-49-0008 |
営業時間 | 販売/9:00~17:00 茶房(要予約)/11:00~ いずれも年末年始のみ休業 |
アクセス | 京阪清水五条駅より徒歩約1分 阪急河原町駅より徒歩約15分 京都駅(JR、地下鉄、近鉄)より車で5分 (お車でお越しの場合) 京都東ICより約15分・京都南ICより約20分 |