きょうからかみ まるに
明治35年に表具師として創業、襖や屏風、掛け軸といった和のしつらえを手がけるうちに、京唐紙の伝承にも携わることになった丸二。京唐紙とは中国の唐から伝わった美術紙で、日本では平安時代よりその伝統的手法を受け継いできました。古来の伝統文様を手彫りした木版に、昔ながらの雲母(キラ)・布海苔・顔料を調合した絵具を使い、和紙に一枚一枚手作業で摺り上げるのが特徴です。人肌と木肌による独特の温もりのある風合いは味わいがあり、いくら眺めていても飽きることがありません。襖・表具材料卸の利点と、時を超えて使われてきた数多くの伝統文様の版木による唐紙を活かしたモノづくりこそ丸二の強み。茶室や寺社仏閣などの伝統建築にとどまらず、新しい発想や技術を加えたインテリアとして現代建築の空間や店舗・ホテル旅館などにも京唐紙を提案し、フレキシブルな活躍で注目を浴びています。
個人邸や茶室の壁紙や襖、屏風、照明など、お好みの文様を使用したオーダーにも応じてもらえるので、ご興味をお持ちの方はぜひショールーム(予約制)をお訪ねすることをおすすめします。
また、本社の隣には体験工房とショップ「唐丸」が併設されています。京唐紙の手法や版木の味わい・デザイン、各文様の意味合いをコンセプトにしたギフト商品の販売に加え、自分の手で京唐紙を摺ることのできる体験工房もあり、無限に広がる京からかみの世界を楽しむことができます。
専属の摺り師・工藤祐史さんによる手摺りの現場を見せていただきました。丸い木枠にガーゼを張った独特の道具「ふるい」を使って絵具を版木にのせていき、上から紙をそっと置いて手のひらでやさしく摺り、文様をうつしとります。湿度によっても微妙な調整が必要とのことで、勘と経験がものをいう繊細な作業です。
「つぼつぼ」版木
摺り上がり
このとき摺られていた伝統文様は、三千家の好みとしても名高い「つぼつぼ」。雲母(きら)のそこはかとない光沢が、なんとも上品です。
丸二が現在所有する版木は約300枚あまり。それらを使った唐紙の製作から工事施工まで、一貫オーダーができます。また、唐紙のみの購入も可能です。受け継がれた版木のひとつ「破れ七宝」。裏面には天保12年という製作年が墨書きされており、歴史を伝えます。
明治時代の作。 菱鶴
明治時代の作。 老松
使い込まれた道具が、手仕事へのこだわりを感じさせます。
大きな襖判には越前で専用に漉いてもらう鳥の子紙を使用。このほか、用途やサイズによってさまざまな和紙が用意されています。
ショップ 外観
ショップ 内観
京唐紙の世界の美しさ、楽しさ、幅広さをぎゅっと凝縮したような店舗。一歩足を踏み入れるだけでワクワクします。パネルなどのインテリア、ポストカードやポチ袋といった唐紙商品から手軽なスタンプ、伝統の技をおうちで体験できる「キラレ」まで、多種多彩な品揃え。
唐紙摺り体験ができるキット「キラレ」
唐紙の御朱印帳とポチ袋
唐紙のペンダントライト「KARA-IRO」
商品はオンラインショップでも購入できます。
→https://shop.maruni-kyoto.co.jp
体験工房
初めての方でも京からかみを気軽に体験することができます。用意された「ハガキ摺り」「唐紙摺り」「御朱印帳作り」「パネル作り」の4つのコースからご希望に応じて選べます。
詳しくはこちらへ→https://karamaru.kyoto/#experience
ショールーム
引手金具
襖
照明
ショールーム
実際に住空間に取り入れた様子がイメージできるショールーム。唐紙から引手金具、襖縁などの材料も、実物を見て選ぶことができます。(予約制)
詳細はこちら→https://maruni-kyoto.co.jp/gallery/
西村正雄さん
表具師・西村高緑堂として創業した丸二。昭和21年、当代西村和紀さんの祖父・正雄さんが襖建具・表具(屏風,掛軸,額装等)・インテリア材料卸業に事業転換し、今に至ります。正雄さんはその伝統工芸品伝承への功績で、勲五等瑞宝章受章の栄誉も。
プレセントキーワード「からかみ」
所在地 | 京都市下京区高辻通堺町東入ル泉正寺町462 |
TEL | 075-361-1321 |
営業時間 | 平日9:00~18:00 |
定休日 | 土・日曜日・祝日・夏期・年末年始 |
所在地 | 京都市下京区高辻通堺町東入ル泉正寺町460 |
TEL | 075-361-1324 |
営業時間 | 火~土 10:00~17:30 |
定休日 | 月、日曜日・祝日・夏期・年末年始 |
交通アクセス | 地下鉄烏丸線「四条駅」5番出口より徒歩約5分 阪急京都烏丸線「烏丸駅」15番出口より徒歩約8分 |