協力:丸久小山園
お抹茶は石臼で茶葉を碾いて粉末にしたものです。現在は密封の良い缶に入れて、粉末のまま保存することができますが、昔は使うたびに茶臼と呼ばれる独特の目立ての石臼で碾きました。
抹茶に使う茶葉は、ふだん飲む煎茶の茶葉と同じ茶の木ですが、育て方が異なります。茶園に覆いをして日光を遮ります。新芽は僅かな日光を求めて、薄く広がるので葉緑素が増え、柔らかく鮮やかな緑色になります。こうすることで渋みが抑えられ、旨味が加わるのです。
①4月中旬ごろ「よしず」を広げて日光を和らげ、約10日後さらに「わら」を均等に振り広げ、徐々に日光を遮ります。現代は、覆いには黒い科学繊維も大変多く使われています。
②5月上旬から中旬にかけて茶摘みが始まります。生葉が柔らかいので一つひとつ丁寧に手で摘みます。
③ 摘み取った生葉はすぐに荒茶工場へ運び、強烈な蒸気で蒸して発酵を止めます。鮮やかな緑色を残すためです。
④むされた茶葉を何度も吹き上げて冷却し、均等に分散します。
⑤「ほいろ」という乾燥炉で水分を除きます。乾燥したお茶は碾茶(てんちゃ/抹茶原葉)の荒茶「荒碾茶」と呼ばれ、一旦冷蔵庫で保管します。
①荒碾茶を一定の形に切断します。
②風力を利用して茎や葉脈を取り除きます。
③「ふるい」にかけて大きさを揃え、風味を高める仕上げ乾燥をします。
④さらに、静電気の作用で、茶葉に混入した古葉や「わら」を取り除きます。極上品は色別選別機にもかけます。
⑤碾茶の品質・特徴を、外観・味・香り・色などによって見極め、数種類の碾茶をブレンドします。
⑥銘柄別の碾茶を、石臼でじっくりと時間をかけてきめ細かく碾き上げます。
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臨済宗の開祖で「茶祖」とも呼ばれる栄西禅師は日本最古の茶書「喫茶養生記」で「茶は養生の仙葉なり」と記しました。抹茶は、煎じるのではなく葉そのものを飲みますので、成分をまるごと吸収でき、その分、効用の期待も高まります。
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