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〈終了〉相国寺承天閣美術館
茶の湯-禅と数寄

 

開催期間
Ⅰ期 2019年10月5日(土)~12月22日(日)
Ⅱ期 2020年1月11日(土)~3月29日(日)

日本文化を代表する、茶の湯。その歴史は禅とともにありました。禅の精神性は茶の湯には欠かせないもので、多くの禅宗美術のなかにその痕跡がうかがえます。高僧の墨蹟も、その多くが茶の湯で賞翫されることにより今に伝わりました。
茶の湯の文化は現代に連綿と受け継がれてきましたが、時代と共に変化し続けてきました。権力者の茶、千利休の侘び茶、江戸時代の金森宗和らの「きれいさび」、そして近代数寄者の茶など、その享受のありかたは多様性をもって広がってきたのです。
相国寺の茶の湯も、時代と共に変化してきました。中世には室町将軍家の唐物賞翫の茶の湯がくりひろげられました。戦国の世に移ると織田信長が相国寺で茶会を催し、その場に千利休も参加するなど、現在の茶の湯が形成される黎明期に相国寺は大きな役割を果たしました。そして江戸時代には後水尾院の文化圏で育まれた新たな茶の湯が相国寺やその山外塔頭である鹿苑寺で盛んになりました。 名物とされた茶道具達も様々な人物の手を経て、ここ相国寺に伝えられました。名品を一堂に取り揃えたこの展覧会で、ぜひご賞翫ください。


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展示構成

第一章  禅と茶
大陸から本朝へもたらされた喫茶文化は、仏教とともにありました。禅寺においても茶は修行生活の中に組み込まれており、やがて広まる茶の湯の世界に禅の精神は豊かに息づいたのです。
[ 主要展示作品 ]
重要文化財 羅漢図 大光明寺蔵
重要文化財 絶海中津墨蹟 十牛頌 相国寺蔵
十牛図 周文筆 相国寺蔵


第二章 権力者と茶

室町将軍の茶の湯は、大陸からもたらされた唐物を中心としたものでした。足利将軍の塔所であった相国寺もまた、五山文化の中心地として栄えました。やがて室町時代が終わり、千利休らの侘び茶の時代が訪れます。
[ 主要展示作品 ]
重要美術品 足利義満一行書 放下便是 相国寺蔵江天暮
雪図 牧谿筆 鹿苑寺蔵 Ⅱ期展示
座敷飾花の子細伝書(君台観左右帳記) 伝相阿弥筆 慈照寺蔵
重要文化財 緑釉四足壺 自織田有楽 贈昕叔顕晫 慈照院蔵 第二展示室


第三章 隔蓂記の茶

江戸時代に入ると、相国寺は将軍家ではなく天皇家との結びつきを強めます。特に後水尾院を中心とした寛永文化の中核に、相国寺・鹿苑寺住持の鳳林承章がおりました。鳳林の日記から当時の茶の湯文化が浮かび上がります。
[ 主要展示作品 ]
重要美術品 隔蓂記 鳳林承章筆 三十冊 鹿苑寺蔵
砧青磁茶碗 銘雨龍 鹿苑寺蔵
竹花入 添金森宗和消息 鹿苑寺蔵
鶺鴒 鳩 尾長鳥 鶏図座屏 狩野探幽筆 相国寺蔵


竹花入 添金森宗和消息 鹿苑寺蔵

第四章 茶道具の名品と数寄者
近代になり寺院や旧家から流出した宝物は、実業家や文化人などの茶人たちに蒐集されます。そういった数寄者の眼によって、多くの美術品が茶の湯の道具として茶席に登場しました。日本の美術は茶の湯の精神によって時代を経て守り継がれてきたのです。
[ 主要展示作品 ]
国宝 玳玻散花文天目茶碗 相国寺蔵
重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦作 相国寺蔵
重要文化財 芦屋無地真形釜 相国寺蔵 Ⅰ期展示
重要文化財 芦屋七宝文真形釜 相国寺蔵 Ⅱ期展示
重要美術品 影青透彫花文香炉 相国寺蔵
重要美術品 古染付高砂花入 鹿苑寺蔵
柳鷺図 楚石梵琦賛 黙庵霊渕筆 慈照寺蔵 Ⅰ期展示
重要文化財 拙庵徳光墨蹟 金渡の墨蹟 鹿苑寺蔵 Ⅱ期展示


国宝 玳玻散花文天目茶碗 相国寺蔵


重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦作 相国寺蔵

 

見どころ 1 天目茶碗と禅寺の茶礼
本展覧会の展示室で、初めにご覧戴く作品は天目茶碗です(Ⅰ期:禾目天目茶碗 Ⅱ期:黄瀬戸珠光天目茶碗)。また、釈迦の弟子、羅漢を描いた重要文化財の絵画や屏風などに描かれた天目茶碗、豊臣秀吉より相国寺の僧侶に贈られた古瀬戸天目茶碗、そして松平不昧公旧蔵の国宝、玳玻天目茶碗など、各章の随所で天目茶碗の名品をご覧いただけます。
このように禅寺には多くの天目茶碗が残されております。現在の相国寺の法会の茶礼に用いられる茶碗もまた、天目茶碗であり、現在も方丈の脇には茶堂(茶寮)という水屋の役割を果たしていた部屋が現存しております。本展覧会では寺で大人数をもてなす際の天目の数茶碗、天目台、天目盆なども展示し、禅寺の茶と共にある姿をご体感いただきます。

見どころ 2  住持の日記からさぐる十七世紀の茶の湯
第三章 「隔蓂記の茶」の『隔蓂記(かくめいき)』とは、相国寺九十五世および鹿苑寺住持の鳳林承章(ほうりんじょうしょう)が書き残した、三十三年間に及ぶ日記です。鳳林は公家の勧修寺家出身で、後水尾院の外戚であり、寛永文化を主導する中心的な人々との交流がありました。日記には、茶匠、金森宗和との交流など、当時の茶の湯を牽引した人々の姿が詳細に記されております。本展では、片桐石州より贈られた茶碗、金森宗和に作成を依頼した花入など、その日記に登場する茶道具の名品を日記とともにご覧いただきます。

(相国寺承天閣美術館HPより)

 

会期 Ⅰ期 2019年10月5日(土)~12月22日(日)
Ⅱ期 2020年1月11日(土)~3月29日(日)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 会期中無休
入館料 一般 800円
65歳以上・大学生 600円
中高生 300円
小学生 200円
※一般の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円

詳細は、相国寺承天閣美術館ホームページをご覧ください。

関連情報 デジタル茶の湯茶の湯マップ 相国寺承天閣美術館