『日本書紀』によると、日本の香文化の幕開けは、推古天皇3(595)年4月、香木が淡路島に漂着したことに始まります。
香木は、仏教という宗教儀礼の中で重用され、やがて平安時代、遣唐使の廃止による国風文化の勃興に伴い、中国とは別の日本独自の“香の道”の歩みが始まります。香は和歌とともに、貴族たちが自らを表現する重要な手段となりました。
そして室町時代中期、応仁の乱後、東山慈照寺(銀閣)に於いて、足利八代将軍義政の同朋衆 志野宗信(1443~1523)の手によって香道の基礎が作られました。以後、志野流は500年以上にわたり、現家元20代幽光斎宗玄まで連綿と継承されています。
本展は、初代志野宗信の500回遠忌を記念して、貴重な名香と香りにまつわる美術工芸品の数々を展観し、多様な日本文化の結晶ともいうべき“香道”と、志野流の歴代の系譜を紹介するものです。
(細見美術館HPより)
志野流伝来 名香「蘭奢待」 松隠軒蔵
精緻な薩摩の香合
諸国香道門人帳・門人帳 江戸時代 松隠軒蔵
茶人に親しみ深い宗匠や大名茶人の名もたくさん記されています。
細見美術館茶室「古香庵」で開かれたプレス発表の様子。志野流香道二十一世家元継承者・蜂谷宗苾氏と、客座は細見美術館館長・細見良行氏。
一子相伝という形で口伝で継承されてきた志野流。「香りを聞く感覚は500年の歴史をつないだ歴代の宗匠と共有されている」という若宗匠の言葉が印象的でした。
会期 | 2023年3月4日(土) – 5月31日(水) |
開館時間 | 午前10時 – 午後5時(入館は午後4時30分まで) ※当面の間、上記のように開館時間が短縮 |
休館日 | 毎週月曜日(ただし、5月29日は開館) |
入館料 | 一般 1,500円 学生 1,300円 |
詳細は、細見美術館ホームページをご覧ください。
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