りゅうおうえんちゃほ
御所南の街中、店頭にお茶の香りがここちよく漂い、道行く人を和ませる老舗茶舗。裏千家をはじめ三千家御家元の御好が揃う柳櫻園の歴史は江戸末期まで遡ります。初代の伊藤勝治は伊勢・桑名の名士で、十代以上続く臼屋の生まれ。地域柄薬効を持つ食材が身近にあり、家業がそれを挽く臼屋であったことから医学や薬学を修めようと、当時評判の高い御典医であった浦野家の書生となります。幕末の動乱で浦野家が失職し、医の道が閉ざされてしまいますが、「茶も薬」として茶業の道へと進みます。そして明治8年に間之町(あいのまち)に開業したのが柳櫻園です。その後、二代目治三郎、三代目東雄(はるお)が茶園や設備を整え、より繊細に茶の湯に適した抹茶を作れるように発展させました。抹茶は宇治川河川敷の提携茶園で栽培育成した厳選茶葉を使用し、挽き立てが身上。今も出荷直前に挽き上げて手詰めしています。
右は裏千家坐忘斎御家元御好「濃茶 長松の昔」と「薄茶 江雲の白」。左は裏千家鵬雲斎大宗匠御好「濃茶 鳳の昔」と「薄茶 敬の白」。それぞれ、濃茶は2,900円、薄茶は1,700円(いずれも税別)
店内で存在感を放つかつて使われていた茶壺たち。ズラリと並ぶ様は、老舗の茶舗ならでは。
抹茶をはじめ、玉露・煎茶・番茶などさまざまな日本茶も扱っています。
座売りの店舗の様子も今では珍しく、一服いただきながらお茶を選びます。
鳥獣戯画の缶に入った「かりがねほうじ茶」が近年人気。
御池の街なかで希少となった店舗内挽き上げの茶舗。宇治茶を店舗奥の石臼で挽き、店頭で量り売りをするスタイルは昔のまま。
近所はもちろん遠方からも贔屓客が絶え間なく訪ね、なかには空になった茶缶を持ち込んで、それにまた抹茶を詰めてもらうことを楽しみにしている柳櫻園のお茶の「ファン」もいらっしゃいます。
1台の石臼が1時間で挽く抹茶はわずか40g。商品によって速度を変えています。
挽きたてのほわっとした仕上がりを、そのまま静かに持って帰れば、漉さずともおいしい抹茶が点てられるそうです。
柳櫻園茶舗の店頭では、新鮮な挽き立ての抹茶の香りが香る。
プレセントキーワード「御好抹茶」
住所 | 京都市中京区二条通御幸町西入ル 丁子屋町690 |
TEL | 075-231-3693 |
営業時間 | 9:00〜18:00 |
定休日 | 日曜日・12/31〜1/4休 |
アクセス | 地下鉄東西線京都市役所前駅11番出口北へ徒歩5分 地下鉄烏丸線丸太町駅7番出口東へ徒歩10分 京阪電車三条駅12番出口 西へ徒歩10分 市バス京都市役所前停・河原町丸太町停 北へ徒歩5分 駐車場あり ▶ ここへ行く(Google Mapを開く) |