きょうりょうり まんしげ
創業から80年、きもの文化華やかなりし時代より京都の隆盛を担ってきた西陣の地で育まれた料亭。その土地柄ゆえ、味はもちろん、ボリュームやサービス、また空間、調度のひとつに至るまで、旦那衆と呼ばれる織物業の経営者たちの肥えた目が光ります。そんな厳しい要望に応えて生まれた名物の「鯛のあらだき」をはじめとする絶品料理、各部屋の美しきしつらえが、訪れる人をうならさずにはおれません。料理は毎日、当代と三代目を継ぐ若主人が市に出向き、目利きして厳選した食材を巧みに生かし器にもこだわって季節を映す一品一品に仕立てあげたもの。部屋ごとに趣向を凝らし、さりげなく美術品が鎮座する空間で受けるもてなしに、五感がよろこぶのがわかります。まさに総合芸術を愛でるがごとき味わいの時間が、ここにあります。
鯛のあらを艶が出るまで煮詰めた「鯛のあらだき」は、先代より親しまれる萬重の名物。甘辛く鯛の旨みもしっかりと感じられる絶妙の味。
※「あら」の内容は、価格により異なります。
丹精込めて目にも楽しく仕上げられた四季折々の味。食材はもちろん、器の選択や盛り付け、すみずみまで料理人のこだわりが貫かれています。
京町家ならではの奥行きのある数寄屋造りの建物には全部で大小15室。部屋ごとに工夫を凝らし、季節に応じた調度や演出で目を楽しませてくれます。掘りごたつの部屋が3部屋あるほか、和室はすべて近年要望の増えている椅子席にも対応が可能です。
国際的に活躍する和紙作家・堀木エリ子氏が数寄屋空間に新たな感性を吹き込んだ、贅沢なしつらえをさまざまなかたちで拝見できます。
写真は、ほのかな光に浮かび上がる堀木エリ子氏のダイナミックな作品がひときわ目をひく1階の部屋。部屋の明かりを落とし、朱漆塗りのテーブルにほんのりと映り込むさまも余韻を引く美しさ。
西陣の裂地による格天井の広間。リノベーションの際、堀木エリ子氏のコーディネートで旧来の英国製シャンデリアはそのままに、すりガラスから型を起こした和紙をはめ込みました。この部屋のイメージで堀木氏が漉いた和紙は、屏風の老松に合わせて茶色と緑の糸をアクセントにしたという凝りよう。このほか西陣をイメージ七色の糸をいれたものも。
京都北部の蔵を移築したという民芸づくりの一室。建具や調度のあちこちに、先代の遊び心が感じられます。
現代のよきものと古きよきものを巧みに融合させた演出。すべて本物にこだわるのも、西陣という土地柄。近代の名だたる日本画家、アーティストの作品も随所にさりげなく配され、空間の品格を高めます。
緑の美しい庭には、四季の花が植えられ、どの季節に訪れても異なる風情を楽しむことができます。ライトアップされた夜の趣もまたよし。
http://www.kyoryori-manshige.co.jp
住所 |
京都市上京区大宮通今出川上ル |
TEL |
075-441-2131 |
営業時間 |
11:30~19:30(入店)、昼膳は平日のみの~14:30(入店) |
備考 | 駐車場あり |