ごりょうじんじゃ(かみごりょうじんじゃ)
心鎮める御守が人気を集めています。
薄緑地に「こころしづめ」、ピンク地に「こころなごみ」とそれぞれ記した巾着型のほか、カード型の計3種類。不安やストレス、緊張、苛立ちなどをしずめるご利益があるとされます。手のひらサイズがかわいい巾着型は実際、手にしてみると弾力性があり、そのやわらかさに頬が思わず緩んでしまいます。初穂料はいずれも1000円。和装にも似合うデザインで、茶席に臨む時などにそっと着物に忍ばせておくと、緊張を解きほぐしてくれるかもしれません。茶の湯デジタルマップを見て参詣したことを伝えると、御朱印の際に添えられる紋菓が御守授与の際に添えられます。
そんな「心鎮めの社」、上御霊神社は正しくは御霊神社と称し、桓武天皇の勅願で平安京遷都の794年に創建されました。早世した桓武天皇の弟、早良親王の心を慰めるためだったといわれ、現在は吉備真備や橘逸勢など政局で不幸な末路をたどった八柱を祭ります。皇居の産信神を祀ることから皇族の信仰も篤く、社殿は宮中の賢所権殿を移築・復元したものです。境内は「御霊の森」と呼ばれるように木々が深く生い茂り、参詣した松尾芭蕉も句を詠みました。
応仁の乱の端緒となった合戦の舞台としても知られ、勃発から550年の記念の年には、東軍大将細川勝元の末裔で元首相の細川護熙氏が揮毫した石碑も建てられました。
「相手の心を思いやり、心情を察して慰めの祈りをすることで、自分自身の心も静まります」と禰宜の小栗栖憲英さん。平素は「心鎮めの社」らしい静寂が広がりますが、5月は一転、御霊祭で賑わい、初日の1日は神幸祭、最終日の18日は還幸祭が営まれます。ちょうどその頃、境内で見ごろを迎えるのは紫色の花を咲かせるイチハツ。かつて境内や外堀にはカキツバタが群生していたといわれ、カキツバタと似たイチハツが往時をしのばせます。
薄緑地に「こころしづめ」と記した巾着型の御守。ピンク地は「こころなごみ」との文字があります
財布に入るカード型の御守
烏丸通から一筋東に建立され往時は広大な御霊の森が広がっていたといいます。御祭神は崇道天皇(光仁天皇第二皇子 早良親王)、井上大皇后、他戸親王、藤原大夫人、橘大夫、文大夫、火雷神、吉備大臣の八柱。西門の向こうに樹齢160年を数える明治天皇の御令妹ゆかりのクロマツが見えます
応仁の乱から550年の2018年に第79代内閣総理大臣の細川護熙氏が筆をふるった石碑が建てられました。
境内では松尾芭蕉の句碑や広辞苑の初版を編纂した新村出の歌碑などいくつもの石碑が見られます。
絵馬堂も宮中から下賜された木材で建立されています。頭上には氏子から奉納された絵馬や江戸時代の欅に書家吉川蕉仙氏の書を刻んだ額が掛かっています。
「氏子区域には伝統文化に携わる方が多く、常日頃からみなさまのご健勝とご多幸を祈念しております」と語る禰宜の小栗栖憲英さん。
プレセントキーワード「ごりょうさんでいっぷく」
所在地 | 京都市上京区上御霊竪町495 |
TEL | 075-441-2260 |
社務所応対時間 | 9:00~17:00(季節によって異なる) |
アクセス |
地下鉄京都烏丸線「鞍馬口駅」下車、徒歩3分 |
茶の湯デジタルマップを見て参詣したことを伝えると、
こころしずめのお守り授与の際に特別に紋菓が添えられます。