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林万昌堂

はやしまんしょうどう

ギュッと詰まった栗の甘みに手が止まらない
追求した素材の旨さと伝統の技が生み出す味

店の前を通りかかると、芳ばしい香りがふと鼻先を漂います。林万昌堂は明治7年に「くわいや武兵衛」の屋号で創業以来、甘栗一筋の専門店。四条通に面し、新京極通と寺町通の間という昔から賑わいのある場所で、多くの人々に愛されてきました。店頭で芳ばしく焼き上げられている栗は中国河北省産のみを使用。糖度が高く、ミネラル・鉄分が豊富な果肉で、渋皮が外側の固い殻とともに剥きやすいのが特徴です。店主の林雅彦さん自らが探し出し、今も現地に出向いて味を確かめて仕入れているといいます。多いときには1日に300kgほども焼いているそうで、少ない時期でも約100kg。「焼きたては身がサクッとしていて、時間が経って冷めてくると身が締まって甘みが強くなる」と林さん。中には、あえて1日置いて食べるというこだわりを持つ常連さんもいるそうです。


栗は50分かけて焙煎してます。栗本来の豊かな甘みや芳ばしさを引き出すために、焼き加減やタイミングなど、熟練の技で見極めています。


創業以来、80年以上稼働し続ける釜。細かな黒い石は研磨されて小さくなった川の石で、熱を媒介して栗をじっくりと丁寧に焼き上げていきます。


世界各地の栗を食べ比べたという店主・林雅彦さん。「栗の大きさは糖度に関係ありません。中国系の栗が一番甘いですね」


焼き上がった栗がツヤツヤしているのは、水飴を入れて焼いているから。栗の甘みは栗本来のもので、味に影響はありません。


店頭には焼きたてが並べられます。甘栗は数日経っても腐ることはありませんが、美味しく味わいたいなら“購入した日を入れて3日目まで”をおすすめします。冷蔵庫では乾きすぎるので、常温で置くといいそうです。




難しそうで、実は簡単割れるのが林万昌堂の栗。まず栗のふくらんだ面に、爪で横一列に割れ目をいれます。次に、キズの両端を持って内側に押します。すると、割れ目が開いて固い皮が渋皮と共にきれいに割れて、中身が取り出せます。


袋入り甘栗(通常粒の甘栗)200g・800円〜1,500g・6,000円


栗アイスはペーストタイプとクリスピータイプの2種類。各310円


店の奥に見えるのは、808年、弘法大師・空海により創建された染殿地蔵院。弘法大師作と伝わる高さ2mの地蔵菩薩をお祀りしています(秘仏)。平安時代から安産守護・子宝祈願の信仰を集め、文徳天皇皇后・藤原明子(染殿后)が願を掛けて無事に皇子(後の清和天皇)を生んだことから、染殿地蔵尊と呼ばれ、清和天皇御生誕地とも。新京極通からもお参りできますが、林万昌堂を通ってお参りすることもできます。


鎌倉時代には、一遍上人の四条道場があったとされる歴史ある場所で、創業当時より変わらず営みを続けています。栗には葉酸が多く含まれ妊娠中毒症にも効くと言われることから、安産のお参り後に買って帰る人もいるそう。

 

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林万昌堂

https://www.hayashi-mansyodo.jp/

住所 京都市下京区四条通寺町東入ル御旅宮本町3
TEL 075-221-0258
営業日 10:00〜20:00 12月31日は〜21:00
定休日 元旦のみ休業
アクセス 〈公共交通機関〉
阪急電車-河原町駅下車 西へ徒歩1分
市バス-四条河原町停下車 西へ徒歩1分