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花豊造園

はなとよぞうえん

日本の文化を学ぶことが大切
奥の深い日本庭園の魅力を伝える老舗造園。

京都御所や桂離宮、修学院離宮、西本願寺、龍安寺などの文化財庭園から、公共事業としての緑化事業、名店や個人宅の庭、そして茶の湯の露地庭と、数々の庭づくりに携わっている花豊造園。庭には和洋それぞれの様式に様々な種類がありますが、花豊造園では日本庭園の奥深さを熟知した職人たちが、伝統的な庭園技術を今に伝えています。


圓山公園小桜植樹 昭和8年

創業は江戸時代終わり頃の安政6年(1859)。大津(滋賀県)で花や植木の栽培を学んだ初代・山田豊次郎が、京都・大宮五条で創業し、花と植木を組み合わせた庭作りを始めました。当初は個人宅の町家の庭、近隣の神社仏閣を得意先とし、やがて京都市役所や各学校などの造園も手がけるようになり、昭和の初めには京都御所や桂離宮、修学院離宮のような歴史ある庭園の管理も任されるようになります。戦後の高度成長期には大阪国際万国博覧会の日本庭園を手がけ、また古社寺の庭園の調査・修理・施行も行うようになりました。


米治郎 華道稽古 昭和3年

「京都の庭作りにおいては、季節を生かすことを知るために、華道と茶道を学ぶことが大切と言われてきました。華道では季節の植物を美しく表現する美的感覚を、茶道では季節に合わせてしつらえを変えることを学べるからです」と山田拓広社長。


茶瑠の庭

三代目米治郎の時から、裏千家の露地(茶庭)仕事もお手伝いするようになります。露地(茶庭)は、町の中にあっても山野にあるかのような自然な雰囲気を出すように作るとされます。 「 蹲踞や灯籠、飛石の配置などは、単に見た目がきれいなだけではなく、実際にそこを使う人のことを考えた庭でないといけません」 と、山田社長は言います。

山田社長は、中学・高校時代からアルバイトとして家業を手伝っていたそうで、特に印象深い庭園は桂離宮。「入社してまだ経験がないうちから、樹木1本から隅々まで1年がかりで調査し、先生方と意見交換するなど貴重な体験をすることができました。勉強しているうちに、その奥深さを知り、どんどん面白くなっていきました」


ルーマニアにあるヘラストラウ公園内日本庭園の修復の様子

個人宅の庭から文化財庭園、公共事業の緑化事業と幅広く手がける一方で、近年力を入れたいと考えているのが海外の日本庭園のこと。「昔、造園された日本庭園が各国にあるのですが、あまり管理されず放置状態で、整備が必要なところが多い。西洋庭園と日本庭園が根本的に違うことも知らない現地の管理者や庭師に、そのことを伝える必要があると考えています」と山田社長。


十牛庵の庭

日本の庭には、池泉回遊式、枯山水などいろいろありますが、平安時代から現代まで、その時代の文化や暮らし方に合わせ作られた庭のかたちが、今に残っています。京都においては、町家の狭い空間をより暮らしやすくする工夫から、坪庭や前栽などが作られました。広い空間があれば、借景の手法なども採り入れて、より広がりが感じられる工夫がなされました。


「樹木や石、灯籠などをデザイン的に並べただけではいけません。日本庭園を作るためには、日本の文化を知り、先人たちの考えや思いを学んでいかしていくことが必要です。暮らし方が大きく変わり、これからはそれらを後世に伝えていくことも、とても大切だと考えています」

 

花豊造園株式会社
https://www.hanatoyo.co.jp

所在地 京都市下京区大宮通五条下ル堀之上町 518
TEL 075-341-2246
FAX 075-361-0961