にんなじ
御室御所の名にふさわしい和様の二王門(重文)を構える仁和寺は、仁和4年(886)に創建された真言宗御室派の総本山。宇多天皇が父である光孝天皇の意志を継いで完成させています。創建来、皇室出身者が代々住職(門跡)を務め、御殿と呼ばれる一帯には宸殿や黒書院など門跡寺院の趣をたたえる建造物がみられます。またその一角に、重要文化財の指定を受ける茶室2棟「飛濤亭」「遼廓亭」も遺されています。
応仁の乱で失った堂宇は江戸期に再建。現在の伽藍配置は江戸期以降のものと伝わります。諸堂を代表する金堂(国宝)は本尊阿弥陀如来を安置し、仁和寺の祈りの中心的役割を担ってきました。その東に設けられた禅宗様の経蔵(重文)の八角輪蔵に一切経を納めています。総高36.18mの五重塔(重文)は東寺の五重塔と同様、寛永期の代表作といわれています。
これら3つの堂塔を、僧侶の案内付きで内部まで拝観できるプライベートツアーがにわかに注目を集めています。
普段は非公開の堂塔を僧侶と巡る拝観は、令和の新しい参拝形式といっても過言ではありません。参拝者の声に応え、今年からは寺侍の旧家屋で楽しむ昼食付きプランも始めています。
プライベートツアーはほかにもあり、茶室2棟を外から拝観した後に寺侍の旧宅をリノベーションした松林庵で和菓子づくりを体験するプランなど多岐に富んでいます。
きぬかけの道に面する二王門は京の三大門のひとつに数えられています。
宸殿北庭の築山に築かれた茶室・飛濤亭は光格天皇遺愛のお席。京の田舎家を模し、屋根は葛屋葺、庇は杮葺きになっています。
躙口のかわりに貴人口が設けられ、その右手の下地窓には刀掛けも。内部は四畳半台目の茶室と水屋の間、勝手の間で構成されています。
仁和寺門前にあった尾形光琳邸から移築した茶室・遼廓亭。二畳半台目の茶席は我前庵と呼ばれ織田有楽斎好み「如庵」を手本にしています。内部は広間、水屋の間など5室からなり光琳の茶室らしい華やかさも特徴のひとつ。壁には錆壁や長いすさが散らされています。
躙り口の前に袖壁を設け、躙り口をくぐると床が見える造りになっています。
仁和寺の本堂の役割を担う金堂。プライベートツアーでは通常非公開の本尊阿弥陀三尊を拝観することができます。
禅宗様の経蔵。回転式書架の八角輪蔵は900近くの引き出しの中に一切経を納められており、間近で拝見することができます。
五重塔は春になると遅咲きの御室桜の向こうに優美な姿をのぞかせます。内部の曼荼羅を拝見できるのもプライベートツアーならでは。
プライベートツアーの昼食は貸切りの松林庵でいただきます。メニューは松花堂弁当か精進料理のいずれか。プライベートツアー参加費1人25,000円、1組2~6名まで、一週間前までに要予約(詳細はホームページに記載)。
プレセントキーワード「雲海」
所在地 | 京都府京都市右京区御室大内33 |
TEL | 075-461-1155 |
営業時間 | 9:00~17:00(受付終了16:30) 12~2月の拝観・開館時間は16:30(受付終了16:00) |
休日 | 水・木曜休 |
アクセス | 御室仁和寺駅、下車徒歩3分 京都市バス10号系統・26号系統・59号系統、またはJR バスに乗車、御室仁和寺停留所下車すぐ |