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御菓子司 新妻屋

おかしつかさ にいつまや

「御菓子司 新妻屋」は明治一五年(一八八二)に前橋市内の広瀬川近くで創業。戦後、前橋駅前の現在地に移りました。一四〇年間、家族経営を貫き、当主の髙野善明さんで五代目を数えます。かつて生糸を横浜に運んだ上州商人が手みやげにしたという「繭玉まんじゅう」、前橋
産小麦を使った地元のお菓子をと戦後創作した「下馬将軍」などの銘菓をはじめ、花びら餅、桜餅などの生菓子も季節ごとにショーケースを彩ります。県立前橋高校、千葉大学を経て野村総
合研究所に就職。横浜に住んでいた善明さんを思いがけず家業に引き戻したのは、茶の湯との出会いでした。「仕事の息抜きに始めたのですが、稽古場や茶会の落ち着いた緊張感に魅了され、菓子屋という家業に改めて向き合いました」。前橋に帰ってからも横浜まで稽古に通い、茶
席菓子の勉強を重ねながら青年部の活動を通じて多くの知己も得てきました。そうした中で、お茶席の気分を自宅で、と二年前から始めた、お菓子と器のコラボ商品の企画が評判をよんでいます。

企画の第一回は令和三年(二〇二一)春に実現しました。器は中村翠嵐工房(京都市)の中村正史さんの浅黄交趾銘々皿、お菓子はきんとんと切り出し物でした。翌四年春は、釜師・宮﨑寒
雉さんの鉄製銘々皿(または茶杓)と宇治抹茶、お菓子は竿菓子(前ページの写真参照)。い
ずれもあっという間に売り切れ、追加販売したほどの人気でした。五年春は大阪の裏千家御出入方、八代吉向十三軒先生の長男・翔平さんが焼く銘々皿、お菓子は前年と同じ竿菓子を合わせる
予定です。詳細は2月下旬頃にホームページとFacebookで告知します。


五代目の髙野善明さんは昭和51年(1976)生まれ。製菓学校で基礎を学んだのち、先代である父とベテランの職人からお菓子作りを教わった。なかでも茶席菓子を得意とし、これまで湯島天満宮の献茶式、靖國神社や茶道会館などの茶会のお菓子を担当。先生方の要望に応え、席の趣向に合ったお菓子を調えていく過程が楽しいと語る。


祖父に当たる先々代が創作した鶏卵煎餅。「下馬将軍」というネーミングは、前橋藩主・酒井雅楽頭忠清にちなんだもの。四代将軍・徳川家綱のもとで大老を務めたほどの権勢を誇った忠清は、江戸城大手門の下馬札の前に江戸屋敷を構えていたことから「下馬将軍」と称された。4袋入り324円、7袋入り648円(いずれも税込)。


四季を感じさせるお菓子から定番の各種焼き菓子まで多くの種類が並ぶ店内。

 

御菓子司 新妻屋

所在地 群馬県前橋市表町2-19-9
TEL 027-221-5222
営業時間 9:00~19:00(土・日曜・祝日は18:30)|水曜休
ホームページ https://www.okashi-niitsumaya.com
アクセス JR前橋駅北口から徒歩3分