しゅうおんあん いっきゅうじ
京都府南部に位置する京田辺は、かつて盛んな水運を誇った木津川に面し、奈良・京都・大阪に接する交通の要衝として栄えた地。現在は交通インフラも整い京都市内から30分で行くことが可能です。酬恩庵一休寺は、一休宗純禅師が、鎌倉時代の禅道場・妙勝寺を康正2年(1456)に中興し宗祖の師恩にむくいる意味をこめて「酬恩庵」と命名した。晩年をこの寺で過ごし、今もここに眠っています。一休禅師は可愛らしいとんち小坊主・一休さんのイメージが浸透していますが、これは江戸時代に創作された「一休とんち噺」によるもの。実際は高い学識と真摯な禅への姿勢をもち反骨の精神を貫いた人物で、多くの弟子や信者の尊敬を集めました。ここはそんな一休禅師を慕う多くの文人たちが集い、当時の文化サロンとして、室町文化の開花に大きく貢献しました。そのなかには日本茶道の祖・村田珠光の姿も。一休禅師に参禅し「茶禅一味」の境地を開いた珠光は侘び茶の作法を完成させました。境内には禅師が晩年生活し村田珠光など室町の文化人たちと交流を重ねた虎丘庵が残っています。こちらは通常非公開ですが、観梅の時期と秋の紅葉の時期に特別公開を行っています。虎丘庵の庭は村田珠光によるもので室町期の枯山水庭園となっています。こちらの虎丘庵は梅が咲く2月と紅葉が美しい11月の年二回特別公開を行っています。詳細は公式HPを確認ください。
また、一休禅師亡きあと一時は荒廃した寺を復興したのは、加賀前田家三代目利常公。利常公といえば茶の指南役として裏千家四代・仙叟宗室を招くなど、加賀藩に裏千家を普及させたことでも知られる名君です。再興された境内伽藍は国の重要文化財に指定をされています。また庭は石川丈山、松花堂昭乗、佐川田喜六正俊によるもので国の名勝指定とされています。境内は紅葉をはじめ四季折々の花と自然が楽しめます。
寺内では一休禅師が伝えたとされる一休寺納豆を昔と変わらない製法で作り続けています。一休寺納豆は大豆の発酵食品であり調味料としても菓子としても和洋問わず幅広く愛されています。寺内で購入することが可能です(100g 900円)。
お抹茶菓子として奈良萬々堂とのオリジナル菓子「通無道」も人気です。
※通無道は萬々堂へ予約注文でのみ可能
所在地 | 〒610-0341 京都府京田辺市薪里ノ内102 |
TEL | 0774-62-0193 |
拝観時間 | 9:00〜17:00(宝物殿 9:30〜16:30) |
アクセス | 近鉄京都線「新田辺」から約1.5km JR学研都市線「京田辺」から約1km 京阪バス「一休寺」下車徒歩約5分 |