淡交2020年新年号連動企画
ロココ王朝文様 プラチナ箔(2018西陣織展 入賞作品 内閣総理大臣賞)
平安時代に織部司が置かれるなど、古くから高級織物の産地として栄えてきた西陣。そこへ近江出身の初代・服部勘兵衛が移り住んだのは江戸末期のこと。服部織物は天明年間(1781~1789)から織物業を営んでいます。
創業230余年、帯一筋を貫く商いをさらに盤石にしたのは、11代目服部荘二郎が「こはく錦袋帯」を考案してからのことだといいます。帯の意匠と配色に並々ならぬこだわりをみせた荘次郎は、戦中、満州国で出合った薄手の織物に着想を得て、軽くて締めやすい帯をつくるための技術革新に取り組みます。
糸そのものの見直しをはかるなか、経糸は一般的に3500~4000本のところを6000本に増加。細く裁断した金・銀・プラチナ箔も織り込みます。より緻密な表現を可能にした帯は、まるで絵画のよう。美術的美観に磨きがかかりました。
革新的な帯は伝統の傘の下で商う京の町では受け入れられず、はじめは苦戦をしたものの、そこで諦めなかった荘二郎は、東京山の手の婦人たちへ直接届ける販路を見出します。「軽くて、締めやすくて、皺になりにくい」。優れた品質はすぐに評判となり、新たな流行の先駆けとなりました。
世界に誇る西陣織の歴史とともにある服部織物は、時代を見据えたチャレンジ精神に富んでいます。揺るぐことのない信念と技で織りあげる帯は、本物の美しさとは何か今ふたたび語りかけてきます。
http://www.hattoriorimono.co.jp/
本店 | 京都市上京区六軒町通一条上ル TEL 075-461-1128(代表) |
室町店 | 京都市中京区室町御池上ル TEL 075-256-0080(代表) |
東京店 |
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いつの時代も女性の美に伴走し、春夏秋冬を優美に飾る「こはく錦袋帯」に代表される服部の帯。京都・西陣の地から生まれる日本の美を12ヶ月の移ろいとともに、どうぞお楽しみください。