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善田昌運堂

ぜんたしょううんどう

京都を代表する茶道具・古美術商
道具の魅力引き出す「取り合わせ」も提案

京都を代表する茶道具・古美術商。由緒ある美術品の数々を取り扱い、100年余りにわたって茶道具並びに美術の世界を支えてきました。現パナソニック創業者の故・松下幸之助氏が顧客であったということからも、各界からの深い信用がうかがえます。初代喜一郎氏が大正9年(1920年)、京都の名門茶道具商、土橋永昌堂から独立して創業。茶道美術を中心とする一方、鑑賞陶器・古書画・煎茶道具など幅広いジャンルの美術品に挑み、日々研鑽を重ねて、現在に至ります。

商品を取り扱う上でのこだわりは「侘び」と「綺麗」の融合。つまり「古くて美しいもの」。名品であればあるほど、長い時代を生きてきたたくましさと、さまざまな愛好家に大切に扱われ続けてきた眩いばかりのエネルギーを保ち、言葉にできない美しさを醸し出します。また茶事や茶会では、「緩急をつけた、主役、脇役が互いに響き合える道具組を目指しております」と話すのは4代目の善田喜征(よしまさ)社長(53)。「テーマは勿論のこと全体の品格の高さ、季節感、その茶席や他の道具に合った寸法、そして色バランスの美しさが欠かせません」と道具を選ぶ際の必須条件を語り、「野球と音楽が大好きなので、野球ならスタメン、音楽ならライブのセットリストを考える感じで楽しみながら決めています。その一方で、それぞれの道具が極力映えるように、御客様にその魅力が自然に伝わるように、そして新たな使い方が提案出来るように注意を払っています」と話します。また美意識や流行は時代と共に変化していくことを受けて、「一定のルールは守りつつ、少しはみ出した取り合わせも探っております。日々、スタッフと知恵を出し合いながら、この総合芸術である茶道美術を学び続けていく所存です」と気持ちを明かします。

 


茶碗や茶杓、茶器、掛軸など貴重な美術品が整然と並んだ2階の展示スペースは、その厳かな雰囲気と相まって、美術館にいるような感覚に陥ります。この日は「祥瑞胴紐詩入茶碗」「黒織部沓茶碗 幾何学文」「仙叟秋景画賛」などの名品が並んでいました。また善田社長の弟、健雄氏が店長を務め、都内有数のショッピング街・銀座にある東京店では京都本店とは異なった趣向の道具がそろいます。2022年、オープン10周年を迎え、記念の茶会並びに展示会が開催されました。

 


京都市の中心部にありながら喧騒を忘れさせる茶室「好日庵」は、初代が昭和16年(1941年)に建築。中板が敷かれ、突き上げ窓が設けられるなど、4畳半ながら広がりを感じる演出が施されています。茶室の床には、その由来となった大徳寺の清厳和尚の書による「日々是好日」の墨跡が、かかります。会社にとっての「原点」だと言います。コロナ禍で中断を余儀なくされていた定例の初釜と7月祇園祭釜は2022年、3年ぶりの開催にこぎつけました。

 


茶室に整えられた道具。それぞれ「芦屋唐銅鬼面六角風炉」「九兵衛小雲龍釜」「遠州高取捻水指」「時代蔦二笈蒔絵大棗」「黄伊羅保茶碗」。約350年前に作られた「遠州高取捻水指」は特に「古くて美しい」の象徴のような一品です。

 


茶室へ至る庭。深く遠い森の中に入っていくような印象を与えます。茶室の手前に位置する蹲(つくばい)が瑞々しさを醸し出しています。

 


善田昌運堂の歴代社長は株式会社京都美術倶楽部の社長や京都美術商協同組合の理事長を務め、「共存共栄」の精神で京都の茶道具の世界を支えてきました。善田喜征社長も現在、京都美術商協同組合の理事長を務めています。「茶事、茶会は亭主と御客様との心の距離感が近ければ近いほど盛り上がります。さらにはコンサートやスポーツと同じでライブ感が醍醐味です。そのための一助となる御道具、美術品をこれからも提供し続けたいのです」。善田社長の思いです。

 

善田昌運堂 京都本店
http://www.zenta.co.jp

所在地 京都市中京区姉小路通烏丸東入
TEL
FAX
075-221-7328
075-221-2817
営業時間 午前9時~午後5時(日曜・祝日休)

 

善田昌運堂 東京店
http://www.zenta.co.jp/tokyo

所在地 東京都中央区銀座6-3-2 ギャラリーセンタービル4階
TEL 03-3572-3818
営業時間 午前10時~午後5時(日曜・祝日休)