月釜・茶会

ジャンルで探す

注目! 地図で探す
買う 食べる 泊まる 体験する 見る 抹茶をいただく 月釜 美術館 お茶の旧跡 お寺・神社

玉家

たまや

大名たちをもてなし、稲荷講の人々を癒やしてきた
400有余年の歴史ある京料理の店。

元和年間(1615〜24年)の創業以来、伏見稲荷大社の大鳥居と並んで店を構える玉家。豊臣秀吉の家老を務めた初代に続き、2代目が伏見稲荷への参詣者を対象に立場茶屋を開きました。その後、人々が集う萬屋を兼ねた旅籠や料亭と形を変えながら、現在は15代目の女将・松井さんが采配を振っています。時代を辿るなかでは参勤交代で伏見を訪れた大名たちの休憩茶屋の役割を担っていたこともあり、手桶に料理やお酒を入れて大名たちに届けていました。その料理を再現した「大名弁当」が今の看板メニューとなっています。馴染みのお客様以外にも若者や外国人の観光客にも人気で、これを求めて遠方から食べに訪れる方もいるといいます。京料理らしい季節の食材をふんだんに取り入れ、見た目にも心躍る逸品。注文を受けてからの調理となるため、予約優先となります。伏見稲荷大社に寄り添い、400有余年の歴史を重ねる玉家で、ゆっくりと時を過ごしながら、食事を楽しんではいかがでしょうか。

 

 



寛政11年(1799)に書かれた『都林泉名勝図会』の巻之三「稲荷社」(画像提供:国際日本文化研究センター)には、大鳥居の回りに集う初午詣の人々が描かれています。今も同じ場所に玉家があります。


1段目はお造り、2段目は取り肴いろいろ、そして3段目には天ぷらと、手桶型の三段弁当に詰め込まれた豪華な「大名弁当」5,000円〜(別途サービス料+税)。ランチでは少し小ぶりの3,400円(税別)のものをいただきます。


かつて実際に使われていた昔の手提げ弁当。重箱、お酒、皿や箸、杯がセットになっています。これを元に、現在の「大名弁当」が考案されました。


江戸時代に使われていた「はかり」。玉家は郵便物の取り扱いなど、萬屋的な仕事もしていたそうです。


かつては旅館業を営んでいたこともあり、伏見稲荷大社の指定旅館として賑わっていました。その頃の古い看板が残されています。


玉家は、東京、名古屋、四国など各地から稲荷講に訪れた人々の宿として利用され、宿泊時には表に講札を掲げていました。安心して宿泊できる宿の証しでした。現在は店舗内にディスプレイとして飾られています。


伏見稲荷大社の御用聞きをしていた時に使われたおかもち。


「玉家」の名のいわれははっきりしていませんが、古くから宝珠が屋号として伝えられてきました。


窓から大鳥居が見える客間小は、2人で気軽に利用ができます。


ランチタイムの設え時の客間。

夜には床の間のある客間で食事を。人数が多い時には、ランチタイムの客間と繋いで大広間としても利用可能。


広い敷地で日本庭園を備えていた旧館時代の名残が、花頭窓や欄間などに引き継がれています。


石畳の左右に置かれている切支丹灯籠やお茶席灯籠も、古くから伝わる品の1つ。

玉家

所在地 京都市伏見区深草稲荷御前町73
TEL 075-641-0103
営業時間 12:00〜18:30(LO)、
ランチタイム12:00〜13:30(入店)
不定休
アクセス JR奈良線「稲荷駅」下車 徒歩すぐ