緑寿庵清水
りょくじゅあんしみず
金平糖は天文15年(1546)にポルトガルからもたらされた南蛮菓子で、当時の日本は砂糖が大変貴重とされ、形の不思議さからも非常に珍しがられ、千利休も茶菓子として用ました。緑寿庵清水は弘化4年(1847)の創業で、味のバリエーションが豊富で彩りも美しく、今も茶人にとっては欠かせない存在です。昔と変わらない手法は一子相伝。緑寿庵清水の金平糖は、イラ粉と呼ばれる0.5mmほどの小さな核に蜜掛けをし、コテを入れてほぐす作業を繰り返し、1種類約16~20日をかけて作られています。毎日の気候や湿度により変動する、金平糖の結晶具合を五感を使って見極め、蜜の濃度や釜の傾斜、回転速度、角度、温度、この全てをその時々によって調節しなければならず、技術の体得には20年以上かかるといわれます。熟練の職人が丹精込めて手づくりし、伝統と独自の製法を守り続けてきた日本唯一の金平糖専門店です。
小袋に入った定番の金平糖の詰合せは、老若男女、年齢をとわず手土産に喜ばれています。それぞれの果物をつぶし、ふんだんに使用して作られるため、素材の瑞々しさが口いっぱいに広がります。 「六種詰合せ」では、果物の味を中心に、彩りも美しい人気の六種の金平糖を楽しめます。
「六種詰合せ」3,823円(税込)
(「天然水サイダーの金平糖」「巨峰の金平糖」「檸檬の金平糖」「蜜柑の金平糖」「苺の金平糖」「めろんの金平糖」)
太陽の光がまんべんなく当たるように空中に吊るして栽培され、糖度が高く、シャキッとした果肉の空中スイカを使用。スイカの美味しさが凝縮され、あっさりとした後味の金平糖です。
季節限定「空中すいかの金平糖」2,268円(税込)
選び抜かれた「玉あられ」を核に使用した、金平糖の詰合せ。5mmほどの核である「玉あられ」は、水分が加わると萎みやすく、蜜掛けをするのは大変難しいのだそう。イラ粉を核にする金平糖に比べ、蜜の層は薄く仕上がるため、噛むとあっさりとした上品な味が広がり、お抹茶の味を引き立てます。作る技術、味の質、共に格上の金平糖です。
「季節限定 桐箱三種入」3,672円(税込)
(写真左より、「生姜あられの金平糖」「紫蘇あられの金平糖」「柚子あられの金平糖」)
11月の「究極の日本酒の金平糖」は、数ある種類の中でも特に、熟練の職人の高度な技術を駆使して作られる「究極の金平糖」シリーズの1つ。伏見の最高級の原酒を使用し、約18日間かけて日本酒の芳醇な味を閉じ込めた金平糖です。1年にごくわずかしか作ることができず、毎年キャンセル待ちが出るほどの人気商品なため、早目の予約が必須です。
「日本酒の金平糖」4,180円(税込)
「究極の金平糖」「特撰玉あられの金平糖」など極めて上質な金平糖を、陶器の引き出し三段で用意されています。趣向を凝らした風雅な器が、厳選された最高品質の金平糖をより引き立てる逸品。
「上煌」23,100円(税込)
本店店頭に飾られている慶応初期の釜。当時は練炭や薪で火を起こし、手作業でひたすらかき混ぜ、1種類に約2ヶ月かけて作られたといわれています。現存するものはほとんどなく、京都文化博物館にて展示されたこともあるそう。
本店には多くの人が絶え間なく訪れていました。一昨年の12月に銀座、今年の7月には祇園に2店舗となる直営店を出店しています。店舗の雰囲気もそれぞれ違い各店限定のお品などもあるので、その店のお気に入りの金平糖を見つけるのも楽しみの1つになり、巡られるお客様もいらっしゃるとか。
住所 | 京都府京都市左京区吉田泉殿町38-2 |
TEL | 075-771-0755 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
休業 | 水曜休(祝日は営業) |
アクセス | 市バス17系統、206系統など「百万遍」下車 徒歩約5分 京阪電車「出町柳」下車 徒歩約10分 ▶ ここへ行く(Google Mapを開く) |